サーベイ
2024.11.29
転職者の7割以上が転職後にマイナスギャップを実感―後悔しない転職活動のためのアプローチとは?
転職市場が活況を迎える中、スキルを活かし、理想的なキャリアを実現するための転職は歓迎されるべき現象ですが、一方で転職後に「転職したら思っていたのと違った」というマイナスギャップを感じるケースも多く報告されています。
コンサルティングファームへの転職者と元社員をつなぐ転職相談サービス「GradsGuide」を展開するメルセネール株式会社(本社:東京都千代田区神田、代表取締役:大道寺 一慶)は、転職におけるマイナスギャップの実態と転職活動の課題を明らかにするため、直近5年間に転職経験のある25歳~49歳の正社員男女393名を対象にアンケート調査を実施しました。(調査期間:2024年7月11日~7月26日)
本調査の結果、転職者が抱える「情報収集の限界」や「転職後のミスマッチ」の現状が浮き彫りになりました。
<調査結果サマリー>
・約59%の転職者が転職先には満足していると回答
・一方で3人に2人は転職活動に何らかの後悔を経験
・転職者の7割以上は転職前後にイメージしていた環境とのギャップを実感
目次
調査の背景:「転職したら思っていたのと違った!」はどれくらいあるのか
統計局や株式会社日本総合研究所などの調査にもあるように、日本における転職者、なかでも特に正規雇用⇒正規雇用の転職者は直近10年間で右肩上がりです。スキルや経験を積んだ方がキャリアアップを求め、より適した環境へ転職し理想のキャリアを歩むことができるのは社会にとっても大変好ましいことです。
一方で、いざ転職してみたら想像していた環境ではなかった(=マイナスギャップ)、ということはよくある話あるように、転職活動において採用側である企業と、転職者の間にある情報の非対称性はいまだ大きい現状であると考えています。
なおこれには転職者側だけでなく、企業側視点では採用したものの期待していたスキル経験を持っていなかったということも要因としてあり、一方の問題でもないことは注意しておかなければなりません。
今回はあくまでも転職者側の視点にフォーカスし、転職前後のマイナスギャップを明らかにするために転職後の環境に対する満足度や転職活動の情報収集の手段等を調査しました。
転職者の約6割は転職先に満足も、3人に2人は思い残しがある
転職活動の結果、転職先の企業に「満足している」「おおむね満足している」と答えた人は計59.0%、一方「やや不満である」「不満である」と答えた人は16.8%と、多くの方が転職したことに満足している結果となりました。
しかし一方で、転職活動の判断において「全く後悔はない」人は全体で32.6%に留まり、約67%つまり3人に2人は転職活動についてやり切れなかった反省や思い残すことがあるという結果となりました。
さらに詳しく「現在の会社に転職したことに対する満足度」との回答別に見てみると、現在の会社に対して「満足している」「おおむね満足している」人であっても、それぞれ33.8%・61.7%は転職の判断において他にも選択肢があったのではないか等の何らかの思い残しがあることが明らかになりました。
直感では転職後の会社に対して満足しているのであれば後悔している人は少ないと思えるものですが、一部の方はこれに反する結果となりました。忙しい転職活動の中で比較検討する求人が限られていたり、企業について得られる情報が限定的である中で決断したことを振り返ると、実際にはもっと視野を広げ情報収集をし、より良い判断ができたのではという思いを持っているのかもしれません。
これは、より思い残すことのない転職をするために何か対策を講じる余地があるともいえるでしょう。
転職者の7割以上が転職後に「マイナスギャップ」を感じている
転職活動に思い残しがある人が存在する背景として、転職前に認識していた・期待していたことと転職後の現状にギャップがあることが挙げられます。今回のアンケート調査では、なんと転職者の7割以上がマイナスギャップを感じたことがわかりました。
内訳として最も多いのは「組織文化・社風・職場の雰囲気が合わなかった」でした。職場の雰囲気は多くの社員との交流ができなければ事前に理解することは難しいということでしょう。
これに加えて注目すべきは、相対的には少ないものの、「期待していた業務や役割でなかった」「期待する経験やスキルが得られない環境だった」という、転職の悲劇ともいうべきことが起きているという実態です。
なぜこのようなギャップが生じてしまうのでしょうか。転職者の考えでは「転職先の採用担当者からの説明と実際が乖離していたから」が最も多く、続いて「事前にインターネットで調べていた内容と実際が乖離していたから」「転職エージェントから聞いていた説明と実際が乖離していたから」がその理由でした。
採用担当・エージェントの採用意欲が高いあまり実態を良く見せる・ネガティブなことを伝えない場合や、配属部門・現場に対する理解が足りないなどが、こういった認識齟齬が起きる要因であると考えられます。
ネット上の情報との齟齬については、転職においてインターネット上の情報は有用なものが多くありますが、時には不正確なものが混じっていて見分けがつかなかったり、情報が発信された当時は正しかったものの企業組織の変化により現在では事実と異なるといったことが影響すると考えられます。
上位3項目はいずれも情報収集方法に関するものですが、マイナスギャップが生じることを避け、後悔のない転職を実現させるためには、多角的・多面的に情報収集を行い転職先についての解像度を高めていく必要があるでしょう。
では、転職者の現状の情報収集状況はどのようになっているのでしょう。
情報収集方法は「転職情報サイト」「各企業の採用ウェブサイト」「転職エージェント」が定番
前途の背景から本アンケートでは内定承諾時における情報収集の手段を調査しました。
改めて何も調べない方が一定数いる他は、定番ともいえる「転職情報サイト」「各企業の採用ウェブサイト」「転職エージェント」を利用した人が最も多いという結果になりました。
複数選択による回答の分布をみると、1つの方法のみを用いた人が最も多く「転職情報サイト」「転職エージェント」「企業の人事や面接官との面談」の利用に偏っていることがわかりました。また、これらを基本として「ウェブ上の記事」「企業口コミサイト」の回答を合わせて行う方が次いで多い結果となりました。
これらが示すのは、基本的には企業発信・転職エージェント発信の情報を判断材料の主軸として、必要に応じてインターネット上でのリサーチをして参考にするというスタイルが定番であると考えられます。
加えて注目したいのは、一部の方は現場社員との面談をし一次情報の収集に努めたり、転職先企業に勤める友人知人から情報収集に取り組んでいるということです。これらは転職活動中における企業の解像度を高める解決策の一つになるでしょう。
入社前に知りたい情報は「労働時間や休暇」「組織の文化や雰囲気」「具体的な業務内容」
では、転職者はどんな情報を得るために情報収集を行っているのでしょうか。
転職者が入社を判断するにあたり収集した情報でもっとも多いのは「労働時間や休暇の取得状況」、続いて「組織文化・社風・職場の雰囲気」「具体的な業務内容や配属されるポジション」でした。
これらはマイナスギャップの上位項目とも重なり、内定承諾する前に確認しておきたい観点であり、転職者にとって関心の高い情報であるといえます。
特にスキルや経験を積みやりたいことがあり転職する人にとっては、内定を得た組織での携われる業務や役割といったポイントは転職の成功失敗を分けるといってもいい要素であり、大変重要であるということでしょう。
情報収集の壁は高くわからないことが多いまま判断せざるを得ない
内定を承諾するかを判断する際の情報収集において困難に感じたことについても調査したところ、もっとも多かったのは「賞与などお金の面で経済的に安定するか・どの程度もらえるのかがわからない」、続いて「労働時間や休暇の取得状況など、実際の就労環境はどのようであるかわからない」でした。
これらは先ほどの入社を判断するにあたって多くの人が気にしている項目と合致するにもかかわらず、上位にあるということは、転職者にとってリアルな情報収集が難しい現状を示していると言えます。
また、これに次いで「自分にとって合う会社なのか」「自分が活躍できるか」といった回答が並びます。これらは企業側の問題だけでなく転職者のスキル等の要因を含みますが、確たる自信が持てないまま判断せざるを得ない状況の現れとも考えられます。
失敗しない・後悔しない転職をするために
情報収集の壁を乗り越え、失敗しない・後悔のない転職をするためにはどうすればよいのでしょうか。その方法としてこれまで主流とされてきた企業発信の情報や転職エージェントなどの間接情報に加えて、現場の一次情報を取りに行き検証することを提案します。
例えば、転職先企業のOB・OGや同業界の経験者など、採用企業側とは利害関係のない第三者に聞くことです。こういった立場の方にフラットな視点から話を聞いてみることによって、情報不足の解消や確からしさの検証を行い、納得して転職の判断が可能になるのではないでしょうか。
本調査でも第三者に相談した経験がある人は「入社後さらに転職する場合、退職後の企業やキャリアパスについて」「組織文化・社風・職場の雰囲気について」「昇進のタイミングや異動などのキャリアパスについて」等を聞いています。企業の採用担当者になかなか聞きにくい退職後のことや、ギャップが起こりやすい項目についても補完できると考えられます。
その結果「新しい仕事に対して準備をすることができた」「新しい環境に慣れるための心構えができた」「入社後活躍するために必要なことがわかった」など新しい仕事でいち早く軌道に乗るために必要な情報を得ることができています。
「採用担当者や転職エージェントがポジショントーク(都合の良い面しか言っていない)だとわかり、不信感を持った」と回答した人も第三者に相談した経験がある人の約2割以上あり、他の情報収集経路のファクトチェックとしても活用できることがわかります。
とはいえ「有料転職相談サービス」「知人・友人」といった第三者へ相談したことがある人は多くはありません。本調査でも相談したことがない人のうち、第三者へ相談してみようと考えたことがある人は51%に上りましたが、実際に行動に移すことができていません。
採用活動には関係のない企業の関係者の中に知り合いがいることが少ないことや、信頼できる第三者と繋がることが難しいことが理由として挙げられるでしょう。
GradsGuideで元社員とつながる
そのような方にぜひ活用していただきたいのがGradsGuideです。
現在は経営コンサルティング業界への転職者向けのサービスとなっており、GradsGuideを利用すれば、あなたの行きたいコンサルティングファームの元社員にオンラインで1対1での転職相談ができます。
審査された信頼できる元社員に相談できるので、第三者からフラットな意見を得る機会が今までなかった方にもおすすめです。相談できる相手には、MBB・Big4など大手コンサルティングファームの元社員が多数在籍しています。
ぜひ活用し後悔のない転職活動にしてください。
<調査概要>
調査期間:2024 年 7月 11 日~2024 年 7 月 26 日
調査方法:Freeasyによるオンラインアンケート
対象:直近5年間に転職経験のある正社員の男女
・年齢:25~49歳
・年収:600万円以上
有効回答数:393
・回答率は端数処理の関係で合計が 100%にならない場合があります。
・本調査を引用される際には、「メルセネール株式会社 調べ」と必ずご記載ください。
ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://gradsguide.jp/media-article/survey_gap/