コンサル業界特集
2024.10.09
大手コンサルティングファームとは?特徴や転職するメリットを解説
コンサルティングファームには、さまざまな規模の会社があります。なかでも大手コンサルティングファームは知名度も高く、マスコミに頻繁に登場する会社もあります。また、就職・転職先として高い人気があります。
しかし、その一方で「大手コンサルティングファームは激務では?」「結果が出せないとすぐに社内に居場所がなくなるのでは?」と不安を覚えている方もいるでしょう。
本記事では、大手コンサルティングファームの特徴や転職するメリットを解説します。
大手コンサルティングファームの特徴とは?
大手コンサルティングファームに、明確な定義はありません。そのため「大手コンサルティングファーム」と紹介される会社は、サイトや書籍ごとにばらつきがあります。例えば、あるサイトでは「大手」と紹介されていた会社が、別の書籍では「中規模」と紹介されるケースもあるでしょう。
しかし、通称BIG4やBIG3と呼ばれている会社や、従業員が1,000人以上の会社は大手に分類されると考えていいでしょう。
以下に、BIG4やBIG3と呼ばれる大手コンサルティングファームを紹介します。
BIG4
BIG4とは、世界4大監査法人グループのメンバーファームである総合コンサルティングファームです。監査法人はもともと企業の経営状態を第三者目線でチェックする役割を担っており、その知見を活かしてコンサルティング業務を行うようになりました。
コンサルティング業界への転職や就職を目指している方はもちろんのこと、ビジネス書籍を愛読している方なら、以下4社の名前は知っていることでしょう。
- デロイトトーマツコンサルティング(DTC)
- PwCコンサルティング
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)
- KPMGコンサルティング
総合コンサルティングファームの特徴は、戦略立案だけでなく、クライアント企業のIT・HR・サプライチェーンといった各領域におよぶ戦略立案から実行支援までを一貫して行っている点です。また、事業再生や再編の支援、税務・監査に関するコンサルティング業務を幅広く手がけているのも特徴です。
戦略BIG3(MBB)
戦略コンサルティングとは、主にCxOなどクライアント企業の経営層に対して、企業経営における戦略立案を中心として、時には実践までをサポートしたりする業務です。数あるコンサルティング分野の中でも主要な業務としている会社が多く、「コンサルティングの花形」といったイメージを持っている方もいることでしょう。
戦略コンサルティングを主な業務とするファームの中で、特に規模が大きく知名度が高い以下3社は、戦略BIG3や、各社の頭文字をとりMBBと呼ばれています。
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
- ボストン コンサルティング グループ (BCG)
- ベイン・アンド・カンパニー
マッキンゼーは世界に130以上のオフィスを構えており、BCGは1966年に日本に事務所を開設した歴史あるファームです。
また、ベイン・アンド・カンパニーはM&Aに強みを持ち、徹底した結果主義を取るファームとして有名です。
日系の大手コンサルティングファーム
MBBをはじめコンサルティングファームには数多くの外資系企業があります。これに対してBIG4の他、日系では以下のような会社が大手ファームとして挙げられることが多いです。
- アビームコンサルティング
- ベイカレントコンサルティング
- ドリームインキュベータ(DI)
- 野村総合研究所(NRI)
アビームコンサルティングは、日本発のグローバルコンサルティングファームとして、特にERPやITシステムに強いコンサルティングファームとして知られます。アジアを中心とした海外ネットワークを構築しており、ITのみならず幅広い業界に対して業務改革やデジタルトランスフォーメーションを支援しています。
ベイカレントコンサルティングは創業から30年程度の若い企業ですが2018年12月には一部上場を果たし急成長を遂げている会社です。デジタルトランスフォーメーションの推進や経営戦略立案を中心に支援しており、営業・コンサルの役割分担やワンプール制等の特徴ある制度が知られています。
ドリームインキュベータ(DI)はベンチャー企業の育成支援や企業戦略にかかるコンサルを手掛け、特に新興企業やイノベーションの促進に注力しています。新規事業開発の支援に強みがあるといわれています。
野村総合研究所は国内シンクタンクの草分け的存在であり、日本を代表するシンクタンクといえます。民間企業や政府機関の経営課題を解決し、戦略策定やシステム導入において幅広い支援を行っています。
大手と中小コンサルティングファームの違い
ここでは、あくまで一般的な傾向として大手コンサルティングファームと中小コンサルティングファームの違いを解説します。どちらが優れているということではなく、個人としての仕事への取り組み方やキャリアの考え方によってファームを選ぶことをおススメします。より具体的に違いについて知りたい方は企業について調べてみたりコンサルタントと話をしてみるとよいでしょう。
クライアント企業の規模
大手コンサルティングファームでは、グローバルカンパニーや上場企業の中でも知名度の高い大企業を主なクライアントとして抱えていることが多いです。クライアントの知名度が高いことから、プロジェクトの影響力も大きいのが特徴です。2024年にもクライアントの基幹システムを巡ったトラブルで大きくニュースに取り上げられることもありました。
また、関連して非常に大きな規模の案件を扱うことも多く、グローバルにまたがる案件や大規模なシステム案件であると億は軽く超える程度の案件になります。もちろんこれらがすべてではありませんが、数千万の案件が基本で1,000万未満の案件は稀であり、チーム体制も数名~数十名になることもあります。
これに対して、中小コンサルファームはおおむねクライアントの規模感はいわゆる中堅企業といったところになります。地域に根差した企業がクライアントになることもあり、コンサルティングサービスを提供する体制も大手ファームほどの大人数ではなく、1,2名の体制で行うことが多いです。その意味ではより現場に密着し、1人でクライアントに向き合い問題解決に関われるとも言えるでしょう。
業務の幅と専門性の違い
先ほどの体制とも密接にかかわりますが大手コンサルティングファームは、ある程度分業がされているとはいえ比較的ゼネラリスト的な知見が求められる傾向にあります。会社としても様々な業界や領域の案件を扱っているため、多様なプロジェクトにかかわることができることで幅広い知見が得られるとも言えます。
一方で中小コンサルティングファームでは特定の業界や領域に特化したコンサルタントが求められることが多く、特定の領域を手掛ける分、社内に豊富な知見がありコンサルタント個人としても深い専門性を得ることができるといえます。
ただし、コンサルティング業界は他の職種に比べて流動性が高く、他社で実績を積んだ経験豊富なコンサルタントが転職して大手に入社するケースや、逆に専門性を高めるために中小コンサルティングファームに移ったり独立したり、ということが珍しくありません。
制度面の違い
大手コンサルティングファームがより激務かというと必ずしもそうではありません。特に昨今は、働き方改革を進めて残業時間を1日1時間未満に抑えたり、リモートワークを可能にしたりしている大手も増えるなど働きやすい環境整備が進んでいます。その他、産休・育休など福利厚生面の制度が充実している会社が多かったり、従業員向けの教育制度は中小コンサルファームと比べると充実している傾向にあります。
こういった制度や従業員に対する支援は中小コンサルティングファームは成長途上で整備しきれていないということはあるでしょう。しかし見方を変えると、大手と比べて特定のルールに縛られず意思決定が早く新しいチャレンジがしやすい環境であるともいえるでしょう。
まとめ:大手・中小を選ぶ際には自分の目指したいコンサル像やキャリア戦略を考えよう
大手コンサルティングファームは、中途入社も積極的に行っている傾向であるためよく求人を見かけることもあるでしょう。
一方で、盲目的に大手が良いと考えてしまうことはおすすめできません。大手・中小の比較はあくまで傾向でしかありませんし、ご自身の目指したいコンサルタント像や価値観によってどちらが合っているかが変わってきます。
コンサルタントを目指すのであれば、自分のキャリアも戦略的に考えられるとよいでしょう。あなたが「なぜ、コンサルタントになりたいのか」「コンサルタントになって自分は何がしたいのか」「なぜ、この会社に入社したいのか」といったことを考えてみましょう。面接対策にもなりますしあなたに合ったファームが見つかるはずです。
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