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インタビュー

2024.02.20

業務コンサルから戦略コンサルへ。生き残るための心得とは?

業務コンサルから戦略コンサルへ。生き残るための心得とは?

はじめに

こんにちは。GradsGuideの大竹です。
同じ業界といえど、コンサルティングファームごとにカバーする領域や固有のカルチャーは異なります。今回はコンサルティングファーム間を移動した経験のある新庄さんをお招きし、転職後に感じたファーム間の違いの実際、転職後も活躍するために求められることについて伺いました。

プロフィール

新庄文利さん(仮名)
新卒で某コンサルティングファームに入社。製薬会社や自動車メーカーへの業務改革を中心としたコンサルティングに従事。約2年の勤務を経た後、大手総合コンサルティングファームの戦略部門に転職(退社済)。
新庄さんの転職までのエピソードはこちら

業務内容から雰囲気まで。転職前後で感じた違いとは?

ーー転職前のコンサルティングファームではどのようなお仕事をされていましたか?

新庄さん:主にBPR(※1)領域を担当しており、クライアントのシステム更新に伴う業務の棚卸しや改革構想の策定を行っていました。担当していたのは大手製造業のクライアントでしたね。

※1 Business Process Re-engineering 組織や業務の流れを抜本的に再構築すること。業務改革。

ーーなるほど。ファームの雰囲気や文化の点ではどのように感じていましたか?

新庄さん:クライアント先に常駐していたので、ファームの雰囲気という答えになるかわからないのですが「仕事に対するこだわり」は強く感じていました。小さいファームでしたが案件で成果をあげることに対して強くこだわり何でもやるという気概があった印象です。

成果にこだわるからこそ厳しい指導もあったのですが、プロフェッショナル意識を持つことを重視するファームでしたね。周囲を見て学んだこともありますし、自分も体現しようしたことで成長できたと思っています。

ーーありがとうございます。転職後、業務内容はどのように変わりましたか?

新庄さん:業務系の案件から戦略寄りの案件をするようになったので、クライアントのおかれた市場環境や事業・ビジネスモデルから考えるようになりました。現場で業務分析をするのとは違う世界になったと思います。

ーー雰囲気や文化に違いはあったのでしょうか?

新庄さん:そうですね。転職してファームの規模自体が大きくなり、持っているナレッジやメソッドをうまく生かしながらコンサルティングをするところに違いを感じました。前は「自分でなんとかしろ!」みたいな感じだったので(笑)。

転職先の社内には各分野に精通したエキスパートが存在するのですが、困ったときに彼らが非常にフランクに助けてくれるところが一番違いとして感じましたね。自分に必ずしも得はないけれど、お互いに助け合うというのは皆が意識していた点だと思います。

ーーそうなのですね。何か違いに戸惑った経験はありましたか?

新庄さん:労働時間が増えたこと、労働環境が変わったことですかね。あと、選考時にも感じたことではありますが、考え方とアプローチの変化でしょうか。自分が今までうまくいっていたやり方で必ずしもうまくいくとは限らないですから、戸惑いを覚えることもありました。

ーーなるほど。どのように順応されたのですか?

新庄さん:慣れるまでは時間がかかったのですが、自分がフロントにしっかり立つことを意識するようにしていました。

パートナーやマネージャーの後ろにいるだけの人にならず、自分もクライアントに相対することを心がけました。そうすると当然自分で考えないといけないし、相手の考え方に応じて自分の考え方を変えることが求められるので。

今までも意識はしていたつもりでしたが、本当の意味で案件を自分事として捉えられるようになったのはそれからです。

ーーでは、お話にあったような違いに、前評判とのギャップはあったのでしょうか?

新庄さん:そうですね。悪い意味でのギャップは無く、聞いていたよりも良かったことの方が多いと思います。コンサルティング業界ではあるものの全く違う領域にいた自分でもチャレンジさせてもらえたり、育ててもらえました。聞いていたよりもずっと手厚い環境だったという印象があります。

あと、「戦略系以外の案件をやりたくない」という希望が叶ったのは意外に思いました。「実際は戦略系の案件以外もやることになるだろうな……」と思いながら転職したのですが、ほぼなかったです。アサイン(※2)も融通を利かせてもらえました。

「そんなに都合よくいかないよ」と聞いていたのですが、案外そんなこともなく、ありがたかったです。

※2 案件(プロジェクト)に割り当てられること。

最初の一本目は全力で。キャッチアップの極意とは?

ーー転職後のキャッチアップが気になる転職希望者も多いと思うのですが、新庄さんはどのように取り組まれましたか?

新庄さん:前のファームにいた以上に取り組みましたね。業務改革で現状業務の分析から始まる場合だとクライアントの現状はクライアントに聞かないと把握できないので、案件開始後に占める部分が大きくなるのですが、当然、戦略系の案件はアサインが見えた時期からクライアントの外部環境や事業内容など公開情報で理解しておかなければならないことも多く、キャッチアップをしなければなりません。若手だと多くの場合は未知の業界ですから、なんとか時間を捻出するようにしていました。

このように私の場合は理解する対象が変わり、考えるレイヤーが一つ上がる感覚がありました。最低限の業界理解は当然なので、書籍などを読み対応しました。
多角的な視点から把握しつつも、短期間に理解すべきことの優先順位をつけるために、5冊は最低限読むようにしていました。これらの努力はアサイン前からできます。

ーー新庄さんが重視されていた「やりたいことをやる」ことを成し遂げるため、特に注力したことはあったのでしょうか?

新庄さん:あります。とにかく転職後一本目の案件に全力で取り組み結果を残そうと考えていました。もちろんわからないことだらけでしたが、自分のできることを考え、落ちてるたまを拾うようにして、まずは案件の中で認めてもらおうとしましたね。

実はもともと、最初のアサインの時、「3択でどれがいい?」と聞かれたんです。私はそこで迷わず一番キツいよ、と言われた案件を選びました。あいつはキツい案件でもやれるんだ、とまず認めてもらいたくて。実際かなり大変な思いをすることになったのですけどね。

貸し借りじゃないですが、大変な案件や難しい案件で活躍すれば多少わがまま言っても許されるかなという思いもありました。
どうしても難しい案件から逃げてそれでパフォーマンスが出せず通用しないと思われれば、組織の中で自分をアサインする優先順位が落ちていくわけですから、それは避けたいという思いがありました。

ーーありがとうございます。関連して、転職希望者の方にアドバイスをお願いします。

新庄さん:私のような領域が変わることも含めた未経験の方に向けてですが、転職してわからないことだらけの中で様子見の選択をする人も多いのですが、「未経験だ」とか「バックグラウンドと関係ないアサインだから」など言い訳をすることなく取り組むことが重要です。

これは先ほどの話も関連しますし、そもそもクライアントにとっては初めてかどうかは関係ありませんよね。自分が何ができるのかをはっきり示さなければ、次にアサインする側も判断に悩むわけです。

目立たない案件に入り、中途半端なパフォーマンスをし、中途半端な評価を受ける……という悪循環にはまってからだと、自分が本当にやりたかったことはできなくなってしまいます。そうなったら転職の目的を全く果たせないと思うんです。

最初の一本はとにかく全力で、自分がどのようなパフォーマンスを出せるかを徹底的に考え、示してみてください。応援しています。

ーーありがとうございました!

さいごに

今回は新庄さんが転職してからキャッチアップをしていくまでのお話を伺いました。経験者の声はいかがでしたか。同じコンサルティング業界でも、ファームが変われば全く異なる環境が待っていることがわかると思います。ぜひ、ご自身の転職を考える際に参考にしていただければ幸いです!

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記事監修者:渡辺 貴明

メルセネール株式会社取締役。東京工業大学工学部卒業。
大学卒業後、独立系コンサルティングファームにて製造業のクライアントを中心に業務改革支援に従事。その後、アビームコンサルティング株式会社の戦略部門に転じ、経営戦略・事業戦略策定やM&A、新規事業開発、組織/人材開発に従事。
メルセネール株式会社では職業選択における情報の非対称性の解消を目指し、コンサル業界への転職者に向けたコンサルOB/OG紹介サービスGradsGuideを運営、事業責任者を務める。

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