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コンサルは本当にいらないのか?必要とされるコンサルになるためのポイントと業界の価値を再考

コンサルは本当にいらないのか?必要とされるコンサルになるためのポイントと業界の価値を再考

ネット上の記事や書き込みなどで「コンサルはいらない」との意見を耳にすることは珍しくありません。しかし、それは本当に真実なのでしょうか?ビジネスの世界で、コンサルタントはどのような役割を果たしているのか、そして必要とされ続けるためにはどうすれば良いのかを解説します。

コンサルは本当にいらないのか?その背景と真相

「コンサルはいらない」と言われる理由には、いくつかの要因があります。

  • 成果に対する不満: 企業がコンサルティングサービスを受けても、期待していた成果が得られない
  • コストへの不満: コンサルティングには高額な費用がかかることが多く、そのコストに対して投資対効果が見合わないと感じる
  • 内部リソースの充実: テクノロジーの進化や自社人材の能力向上により、自前で問題解決できると考えている

しかし、このような意見の背後には、いくつかの誤解があると考えています。

コンサルタントの存在価値とは?

コンサルタントの本来の役割は、クライアントが自力で解決できない問題に対し、外部からの客観的な視点と専門知識を提供することです。先ほどの「コンサルタントはいらない」といわれる要因に対しての反論を考えてみます。

成果の不満

経営コンサルティングにおいては様々なサービスがありますが、戦略立案のような方針を決めるものや、事業のあり方を考えるもの、または組織変革といった案件の場合、それ自体が短期的に数値として目に見える成果を得られることはほとんどありません。実現して初めて目に見える収益などの成果が出ることはもちろん、目指しているのは中長期的な変革を通じて成果を挙げる専門的な支援です。なおかつ、企業に継続的な利益をもたらしている事例は存在しているため、一概に否定することは誤りといえます。
また、別の視点では期待していた成果の認識がクライアントとコンサルタント側で一致していないケースがあります。多くの場合、コンサルタント側の責任ですが、コンサルティングを通じてどのようなことを達成するかは認識を合わせておく必要があります。

コストへの不満

コンサルティング費用は確かに高額に感じられるかもしれませんが、対価として得られるものは専門的な知識や内部で実行するよりも早いことで時間を買う、といった直接的に金銭で目に見えるもの以外にも存在しています。コンサルタントは外部の視点から業界他社の動きなどの情報や特定の知見・経験に基づいたサービスを提供しており、内部の視点では得られない情報・視点が含まれているのです。そのため、コンサルティング費用は一見高額ではありますが、それに見合う価値が提供されるものと考えます。もちろん、これがすべてではないことはまた事実ですが、期待を越える価値が提供できないコンサルタントや、クライアント側で適切なコンサルティングファームを選べないなどの様々な要因が隠れています。

内部リソースで十分

コンサルタントの基礎的なスキル、いわゆるロジカルシンキングなどは今や広く知られかつ習得可能なものになっており、クライアント内部の人材でも変わらないというケースは存在します。また、経営コンサルタントの人口が増えたことでクライアント内部に転職した、いわゆるポストコンサルも存在していることが一つの要因になっています。
一方で、外部のコンサルタントが有する視点や情報、知見・経験といったものは内部の人材に比べて多くの経験に裏打ちされており、専門性・知見の観点では内部にはないものが存在することも確かです。
また、内部リソースで賄えない追加のプロジェクトや改革を進める余裕がない場合にも、時間を買うことにつながり企業経営上価値があるといえます。

このような理由から、外部視点と専門知識を提供するコンサルタントにおいては、コストは中長期的に回収可能であり、内部にはない視座での提言が可能といえます。経営課題解決においてコンサルタントの活用は価値のある選択肢であると考えます。

必要とされるコンサルになるには?そのための5つのポイント

コンサルタントが「不要」と言われないためには、クライアントにとって価値のある存在であることが不可欠です。必要とされるコンサルになるためには、例えば次の4つのポイントを押さえておくとよいでしょう。

  1. クライアントを深く理解する
    表面的な課題だけでなく、クライアントが抱える本質的な問題を見抜き課題設定する力が求められます。クライアントが何を求め、どのような成果を期待しているのかを理解することは前提として、クライアントの状況に寄り添いつつも、変革を導くアプローチが必要になります。
  2. 問題解決能力を磨く
    コンサルタントの基本スキルとして、複雑な課題をシンプルにし、効果的な解決策を提供する力が必要です。さまざまな業界や分野で問題解決を経験することで、そのスキルを高めることができます。
  3. クライアントの文化を理解し適応する
    コンサルタントは、クライアント企業の文化や価値観を理解し、それに適応する柔軟性を持つことが重要です。企業ごとに異なるビジネス慣行や組織文化に対して敏感であることは信頼関係を構築し中長期的な変革を実現するために重要です。
  4. 持続的な自己成長を追求する
    ビジネス環境は急速に変化しており、コンサルタントも常に新しい知識やスキルを学び続ける必要があります。テクノロジーの進化や市場のトレンドに敏感であり、最新の情報をクライアントに提供できることが、コンサルタントとしての価値を高める要素となります。

これらのポイントを実践することで、企業から「必要な存在」として認められるコンサルタントへと成長することができます。

コンサルティング業界の将来性とキャリアの展望

ビジネス環境がますます複雑化する中で、コンサルティング業界の需要は今後も一定拡大していくと予想されます。特に、代表すると以下の分野では引き続き高い需要が見込まれます。

  • DX(デジタルトランスフォーメーション): 企業のITインフラやデジタル戦略の再構築に対するニーズは高まっており、データ活用・AI活用を含む専門的なコンサルティングが求められています。
  • サステナビリティ・ESG: 環境問題や社会的課題に対応するため、企業は持続可能なビジネスモデルの構築を急いでおり、この分野でのコンサルタントの役割が重要です。
  • サイバーセキュリティ: 企業経営のデジタル依存が進み、サイバー攻撃やデータ漏洩リスクが高まっています。これに伴うリスクマネジメントやセキュリティ対策は需要を増しています。

また、コンサルティング業界での経験は、個人のキャリアにおいても大きな資産となります。問題解決能力やプロジェクトマネジメントのスキルは、どの業界でも応用が利くため、他業種への転職や独立事業としてのコンサルティングビジネス展開の道が開かれます。

コンサルティング業界でキャリアをスタートさせるために

コンサルタントとしてのキャリアを考える際、業界のリアルな情報を得ることは極めて重要です。GradsGuideでは、実際にコンサルティング業界で働いた経験を持つガイドとのオンライン相談を通じて、業界の裏側やリアルな経験談を聞くことができます。

  • キャリアの悩み: コンサル業界に入るべきか悩んでいる方に、業界経験者の視点からアドバイスがもらえる。
  • 企業選びのサポート: どのファームが自分に合っているか迷っている場合、実際にそこで働いた人からの話を参考にできる。

このようなサポートを受けることで、後悔のない転職活動ができるでしょう。必要とされるコンサルタントとしてのキャリアを歩み出すために、まずは業界の実情を把握することが第一歩です。

コンサルティング業界でのキャリアに興味があるなら、まずはGradsGuideを活用して、業界経験者との相談を通じて自分に合った道を見つけてみてください。

コンサルティングファームへの転職に悩んだら

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記事監修者:渡辺 貴明

メルセネール株式会社取締役。東京工業大学工学部卒業。
大学卒業後、独立系コンサルティングファームにて製造業のクライアントを中心に業務改革支援に従事。その後、アビームコンサルティング株式会社の戦略部門に転じ、経営戦略・事業戦略策定やM&A、新規事業開発、組織/人材開発に従事。
メルセネール株式会社では職業選択における情報の非対称性の解消を目指し、コンサル業界への転職者に向けたコンサルOB/OG紹介サービスGradsGuideを運営、事業責任者を務める。

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