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コンサル業界の離職率の実態とは?理由と対策を徹底解説

コンサル業界の離職率の実態とは?理由と対策を徹底解説

転職を検討する際、気になるポイントのひとつが「離職率」です。特にコンサル業界は離職率が高いと言われますが、なぜそのような特徴があるのでしょうか?この記事では、コンサルティング業界の離職率の実態、その理由、さらに長く働き続けるための対策についても解説します。

コンサル業界を目指すあなたにとって、キャリア選択の一助となれば幸いです。

コンサル業界の離職率はどれくらい高いのか?

コンサル業界は他業界と比べて離職率が高いと言われています。その実態と背景を確認しましょう。

コンサル業界の離職率の数字をチェック

コンサルティングファームの離職率は、一般的に20%程度と推定されています。これは、一般企業の平均離職率(14.2%、2020年データ)と比較しても高い数字です。特に戦略コンサルティングファームやその他の外資系コンサルティングファームの一部では、離職率がさらに高くなるケースも見られます。

この背景には、業界特有の「短期間での成果重視」文化が大きく影響していると考えられます。コンサルタントはプロジェクト単位で働くことが多く、1か月から数カ月程度の期間で結果を出さなければなりません。このプレッシャーが業界全体の離職率を押し上げている可能性があります。

離職率が高い理由

離職率の高さにはほかにも考えられるいくつかの要因があります。

  • 長時間労働
  • 高いプレッシャー
  • キャリア選択の自由度

これらの要因は個々の企業やプロジェクトごと、個人の能力によっても異なります。また、注意しておかなければならないのは、必ずしも離職=ネガティブなものではないということです。

高い離職率の背景とその実態を深掘り

なぜコンサル業界で働く人々は、退職を選ぶのでしょうか?背景にはいくつかの共通した課題があります。

長時間労働とワークライフバランスの課題

コンサル業界では、プロジェクトの納期や成果物のクオリティに厳しい要求が課されます。その結果、夜遅くまで働いたり、休日に仕事を持ち帰ることがさほど珍しくはありません。このような働き方が続くと、心身ともに疲弊し、離職につながるケースがあります。

そのような労働環境になってしまう理由として、単純に個人の能力不足という要因は実際にあります。多少は織り込んだプロジェクト設計になっている場合もありますが、基本は成長することが求められますから、”成長痛”の苦しい時期は避けられないでしょう。

個人の能力以外にも、プロジェクトの設計自体に無理があったケース、想定していなかった事象によって遅延してしまいスケジュール通りに進めるために1日の労働時間を増やすことで挽回する、といったケースもあります。本来、スケジュールを見直したり人を追加できればいいのですが、納期が厳しかったり人手不足の理由で実現しないことも多いです。
また、プロジェクトによってはクライアントの要望とズレが生じるなど順調に進まず、最悪の場合「炎上」し、残業や徹夜でカバーすることが求められる場合があります。

昨今の働き方改革の流れでは、特に若手のコンサルタントでは改善してきているようです。
ただしそのような中でも、コンサル業界では「成果第一主義」の文化が根強いため、より早く昇進しよう・高い評価を得ようと、高い品質のアウトプットを求めて時間を惜しまず取り組むコンサルタントもいますから、これも一概には言えないところは注意してください。

また若手が改善する一方で、しわ寄せがマネージャー以上に来ているといったケースもあり、会社単位でここは労働時間が長い短いといった議論はあまり意味があるとは言えません。
部署/ユニットや扱うテーマ、役職でも異なりますから解像度を高めて理解するのが良いでしょう。

成果主義の厳しさ

成果主義が浸透しているため、実績を出せなければ昇進や昇給が難しいという現実があります。また、社内評価だけでなく、クライアントからのフィードバックもシビアです。価値が発揮できていなければ、「●●さん、いる意味ある?」といわれリリース(プロジェクトから解任される)となることもあります。
クライアントへ請求している金額を考えれば当たり前のことではあるのですが、特に若手社員の精神的な負担となりやすい点です。

さらに、繁忙期にはプロジェクトが終了すると次の案件がすぐに割り当てられるため、リフレッシュする時間が限られる場合もあります。所属によっては一つ終えるとまた全く違う業界やテーマを扱うこともありますし、必ずしも関わりたいプロジェクトの希望が通るわけではないために、キャリアのつながりが見出せず長期間のモチベーション維持が難しくなることも離職率の高さにつながっています。

キャリアパスの豊富さ

コンサル業界で培った問題解決能力やリーダーシップなどのスキルの多くは他業界に転職しても活用できる場面が多いです。つまり汎用性が高く、他業界でも評価される傾向です。そのため、より働きやすい環境や高い報酬を求めて転職する人が少なくありません。

例えば、事業会社で経営企画やマーケティング部門に転職するケース、スタートアップでCFOやCOOとして活躍するケースなど、幅広い選択肢がコンサル経験者には可能性として用意されています。このように、キャリアの柔軟性が高いことは、結果的に離職を促進している面もあります。

また、若手のうちは余裕のある時期であれば、プロジェクトが終わるタイミングで数週間の長期休暇を取ることがあります。仕事から離れ、自分のキャリアを見直す時間があることも影響しているかもしれません。

離職を防ぐための対策とは?

必ずしも長く働き続けることが正しいとは言えませんが、その場合にはどうすれば良いのでしょうか?

自分に合った転職先を選ぶ

意外に見落とされがちなのですが、コンサルティングファームの文化や働き方は企業によってだけでなく部署/ユニット・セクターによっても異なります。大手総合系コンサルティングファームではプロジェクトの選択肢が広く働き方も柔軟性があると一般に思われることが多いですが、その実態は部署でも様々です。
思っていた環境と違うということにならないよう、事前に綿密に企業研究を行い、自分の価値観やキャリアプランに合ったポジションを選ぶことが重要です。

さらに、口コミサイトやOB/OG訪問を活用して、実際の労働環境や社内文化、得られる機会などを確認することも有効です。例えば、GradsGuideのようなサービスを活用すれば、リアルな情報を得ることができます。

キャリア戦略を明確にする

転職前に自分のキャリア戦略を明確にすることが大変重要です。
例えば「3年後に〇〇の分野でリーダーになる」などのゴールから逆算して「コンサルファームで△△の経験を積む」「XXのスキルを身に着ける」など目標を立てることで、アサインされたプロジェクトのテーマやなんとなくの響きに一喜一憂することなく、モチベーションを維持しやすくなります。

キャリア戦略には「短期目標」と「長期目標」を組み合わせることが効果的です。短期的には、プロジェクトでの具体的なスキル習得を目指し、長期的には自身の市場価値を高めるためのキャリアアップを計画できると良いでしょう。

メンタルヘルスを意識する

高いプレッシャーの中で働くため、ストレスマネジメントが欠かせません。リフレッシュのための趣味や運動、必要に応じて専門家の助けを借りることも検討しましょう。また、社内での相談窓口やメンター制度を活用するのも有効です。

特に若手社員の場合、初めての環境で孤立感を感じやすい傾向があります。定期的に上司や同僚、あるいはメンターとコミュニケーションを取り、支援を求める姿勢を持つことが大切です。

ことコンサルファームでは社内政治的な要素がないと思われがちですが、大規模なファームでは特にキャリアを形成するうえで、周囲と良好な関係性を構築し少なからず影響力を持っておくことは、自分が望んだ機会を勝ち取るためにも重要です。

成功している人の特徴から学ぶ

離職率が高い環境でも成功している人には、いくつかの共通点があります。

ポジティブな姿勢と自己管理能力

高い成果を出している人は、困難な状況でも前向きに取り組む姿勢を持っています。また、自己管理能力が高く、忙しい中でもスケジュールや健康をしっかり管理している点が特徴です。

特に、優れた自己管理スキルを持つ人は、仕事とプライベートのバランスを取りながら高い成果を上げる傾向にあります。これが、離職を防ぎながらキャリアを積み上げる秘訣とも言えるでしょう。

明確な目標設定

キャリアパスを意識し、どのプロジェクトや業務が自分の目標達成に繋がるかを考えています。これにより、日々の業務の意義を見出しやすく、高いモチベーションを維持することにつながります。

コンサル業界で輝く未来を手に入れよう

コンサル業界は確かに離職率が高いですが、それには理由があり、離職も悪いことだけとは限りません。この記事でご紹介した情報を活用し、自分に合った働き方を見つけてみませんか?

コンサル業界を目指すあなたにとって、正しい情報と準備が成功の鍵です。GradsGuideでは、OB/OGからの具体的なアドバイスやリアルな情報を得ることができます。

ぜひ利用して、理想のキャリア実現に向けた第一歩を踏み出してください!

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記事監修者:渡辺 貴明

メルセネール株式会社取締役。東京工業大学工学部卒業。
大学卒業後、独立系コンサルティングファームにて製造業のクライアントを中心に業務改革支援に従事。その後、アビームコンサルティング株式会社の戦略部門に転じ、経営戦略・事業戦略策定やM&A、新規事業開発、組織/人材開発に従事。
メルセネール株式会社では職業選択における情報の非対称性の解消を目指し、コンサル業界への転職者に向けたコンサルOB/OG紹介サービスGradsGuideを運営、事業責任者を務める。

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