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コンサル用語解説:未経験からでもわかる必須キーワードと使い方

コンサル用語解説:未経験からでもわかる必須キーワードと使い方

コンサルティング業界においては、業界特有の用語や言い回しがあります。未経験者にとって初めて耳にする言葉も多く、戸惑いや不安を感じるかもしれませんが、知ってしまえば問題ではありません。

本記事では、コンサルタントが日常的に使う代表的な用語を解説し、それぞれの使い方や意図を具体的に紹介します。キャリアの一歩として、コンサル用語の基礎を学んでみてください。

コンサルティング業界での用語の重要性

コンサルティング業界では、各種の専門用語が仕事のなかで共通言語として用いられている一方、初めてこの業界に入る人にとっては難解に感じられることも多いです。

しかし、日常的に使われる用語やフレームワークは、経験を積むことで徐々に身についていくものです。特に未経験者は、まず基本的な用語を理解し、実務の中で少しずつ慣れていくことが求められます。業界の基礎知識を得ることで、面接でも自信を持って臨めるでしょう。

コンサルタントが押さえておきたい日常の用語リスト

以下の用語は、コンサルティング業界で頻繁に使われるものです。初心者でもわかりやすいようにその意味や使われ方を説明します。

1. アベイラブル

「アベイラブル」とは、空いているという意味で、コンサルタントがプロジェクトに参加できる稼働状況を指します。要は特段決まった仕事がないという状況です。次に参画するプロジェクトが決まっているが開始日まで期間があるので空いている状況もあります。
言い方としては「今はアベイラブルです」「(略して) アベっている」といった形で用いられます。若手ですとアベイラブルの時は溜まった有給を消化し連休をとったり、仕事をする人は社外向けのコラムなどの執筆活動やクライアントへの提案活動を手伝ったりすることが多いかと思います。後者はそういった活動へのアサイン、ということになります。

2. アサイン

「アサイン」とは、日本語でいうと任命するという意味で、プロジェクトにコンサルタントが参画することを指します。「次のアサイン決まった?」「〇〇プロジェクトにアサインされた」などの言い方をします。
メンバーのアサインは基本的には週次のアサイン会議で決められます。ファームで違いはありますが、アサイン会議は主にパートナーやシニアマネージャーといった提案責任者・提案リードのメンバーのみが集まり協議されることが多いかと思います。
アサインの反対で、プロジェクトから離れる場合には「リリース」という言い方をします。プロジェクト終了時もリリースになるわけですが、プロジェクトで成果を出せなかったりチームとの相性が悪い等の理由でリリースさせられるというケースも存在します。この場合は、次のアサインにネガティブな影響を及ぼします。

3. アウトプット

「アウトプット」は、直訳すれば出力の意味ですが、業界では主に成果物としての作成した資料を指すことが多いでしょう。その他、プレゼンテーション、会議での発言など、何等かの成果を表現したものがアウトプットには含まれます。「アウトプットする」「アウトプットのレベルが高い」などという言い方をします。
関連するものとして「バリュー」という言葉があります。これはアウトプットを通じてコンサルタントとしての価値を発揮するという意味で使われます。「バリュー出てるね」「バリューないね」といった言い方をします。常に高いバリューを提供することがコンサルタントとして最も重要な価値観といってもいいかもしれません。

4. MECE(ミーシー)

MECEはご存知の方も多いかもしれませんが「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、漏れなくダブりなく、という意味です。
転職時の面接やジュニアなコンサルタントが厳しく見られる要素の1つがロジカルシンキングであり「MECE」は、その基本的な考え方といえます。ロジカルシンキング系の書籍などでも頻出し学べる考え方なので未経験で転職される方は是非一度何かしら目を通しておくことをおススメします。
ちなみに、「MECEじゃないね」「抜け漏れ多いね」と否定的なシーンで用いられることが多い気がします。

5. プロモーション

「プロモーション」は、コンサル業界特有かはわかりませんが昇進のことをプロモーションといいます。基本的に多くのファームではアサインされたプロジェクトごとに評価がなされ、評価期間中に関与したプロジェクトを総括してアップかステイするのか、はたまた…という評価を行う評価会議というものが行われます。一つ上の職位にあがること、例えばシニアコンサルタントからマネージャーになる場合をプロモーションと呼ぶことが多いと思います。
通常は各職位の中でいくつかのランク/グレードが設けられているので、最終ランクにあがるタイミングかその手前で「プロモーション候補」になり、より厳しく能力を見られるようになります。

分析・戦略思考に役立つ用語

次に、コンサルタントが活用する基本フレームワークや思考法について解説します。これらの知識は知っていることではなく、使い方に勘所があるものですが、実務における分析力や問題解決力の基礎になりますので紹介します。

1. ロジック・ツリー

「ロジック・ツリー」は、問題や課題を階層的に分解し、原因や要素を可視化するフレームワークです。クライアントの課題を整理し、解決策を提案する際に役立ち、論理的に問題解決を行うことができるため、コンサルタントにとって基本的な手法です。

2. 仮説思考

「仮説思考」とは、解決すべき問題に対して仮説を立て、その仮説に基づきデータ収集や分析を行う考え方です。コンサルタントは、時間を効率的に使いながら問題解決を進めるために仮説思考を用います。これにより、限られた時間で最適なアプローチができるようになります。

3. 3C

「3C」とは、「Customer(顧客)」「Company(自社)」「Competitor(競合)」の3つの要素から市場を分析するフレームワークです。顧客ニーズの把握、自社の強みの活用、競合との差別化を図るために、戦略立案の際などによく使われます。

4. バランススコアカード

「バランススコアカード」は、財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4つの観点から企業の業績を評価する手法です。単に財務指標だけでなく、組織全体のパフォーマンスを多角的に管理することで、戦略の実行度を確認する目的で使用されます。

5. 7つのS

「7つのS」は、マッキンゼーが提唱する組織分析フレームワークで、「Strategy(戦略)」「Structure(組織構造)」「Systems(システム)」「Shared Values(共有価値観)」「Style(企業文化)」「Staff(人材)」「Skills(スキル)」の7つから構成されます。組織が効果的に運営されているかを確認し、改善策を立てる際に利用されます。

知識を蓄え、自信を持ってキャリアに臨む

コンサルティング業界では、専門的な用語も多いです。専門的な用語を知っているから採用されるということではなく、業界の理解を深めるために基本的な用語は知って損はないでしょう。また、ロジカルシンキングをはじめ思考法やフレームワークの理解は、面接対策の一つにもなりますので転職を考えている方は一度ご自身で調べてみることをおススメします。

より業界理解を深めたい方は、GradsGuideのような転職相談サービスを活用することも一つの方法です。業界経験者からのリアルな経験談・アドバイスを聞くことで、職場環境についての理解や自分の適性の理解、志望動機が磨かれるなど、転職活動において確実な準備ができます。

コンサルティング業界でのキャリアを目指す方は、こうしたサービスを活用し、理想のキャリアを実現するための一歩を踏み出しましょう。

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記事監修者:渡辺 貴明

メルセネール株式会社取締役。東京工業大学工学部卒業。
大学卒業後、独立系コンサルティングファームにて製造業のクライアントを中心に業務改革支援に従事。その後、アビームコンサルティング株式会社の戦略部門に転じ、経営戦略・事業戦略策定やM&A、新規事業開発、組織/人材開発に従事。
メルセネール株式会社では職業選択における情報の非対称性の解消を目指し、コンサル業界への転職者に向けたコンサルOB/OG紹介サービスGradsGuideを運営、事業責任者を務める。

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