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コンサルティング会社のカオスマップとは?概要や利用の仕方を解説

コンサルティング会社のカオスマップとは?概要や利用の仕方を解説

コンサルティングファームはそれぞれに手掛けている分野や得意とする分野が異なります。
コンサルティングファームに転職する場合は、なぜコンサルタントになるのか?あなたがコンサルタントとして取り組みたい領域やそこで成し遂げたいことは何なのか?をよく考えてコンサルティングファームを選ぶ必要があります。

各社の公式サイト等を確認すれば、どのような分野のコンサルティング業務を行っているかはわかりますが、それぞれで表現が異なったり、未経験の方にとってはわかりにくい用語がありいまいち全体感がつかめないこともあるでしょう。そんなとき、役立つのがカオスマップです。

本記事では、コンサルティングファームのカオスマップの概要や利用の仕方を紹介します。

コンサルティング会社に転職を検討している方も参考にしてください。

コンサルティング会社のカオスマップとは?

カオスマップとは、特定の業界における事業者を項目別にカテゴライズした業界地図の一種です。コンサルティング会社のカオスマップは、メディア「コンサルのあんなこと、こんなこと」の運営などで知られている、コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社が作成し、公開しているものが有名です。このほか、株式会社リブ・コンサルティングや、アーツアンドクラフツ株式会社等も、それぞれカオスマップを公開しています。

直近では、コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社が作成しているカオスマップの2024年度版が7月に発表されました。

出典:コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社 コンサルファームの業界地図2024年版 | コンサル業界カオスマップ

同社のコンサルティング会社のカオスマップは、支援領域を7つに分類した上で、複数領域をカバーする総合系コンサルティングファームも加えた8分野について、それぞれの特徴を解説しています。

なお、掲載されているのは主に大手企業に対してコンサルティングサービスを提供している会社である点には注意が必要です。

以下に、同社が作成したカオスマップの見方や2024年の特徴を解説していきます。

カオスマップの見方

コダワリ・ビジネス・コンサルティングが作成しているカオスマップはサークル形式を使用し、拡大するコンサルファームの得意領域を整理しているのが特徴です。

コンサルティング会社の分類は、年々複雑化しています。同社のカオスマップは、「戦略」や「業務」「組織・人事」など5分類を「大分類」とし、マップの外周に配置して区切りをつけています。

大分類の下には中分類を配置しており、一例を挙げると「業務」の下にある中分類は、「ビジネス」と「IT」です。ビジネスは例えば営業プロセス改善によって売上向上を目指すようなトップライン向上や業務効率化などを軸とするコンサルティングであり、ITはIT導入支援を軸とした業務系コンサルティングを主とする違いがあります。

同じ業務系コンサルでも、どのような業務支援が得意領域なのかが異なるため、それらがわかるように整理されています。中分類は「業務」と「FAS」を中心に作られており、マップ全体ではコンサルティングファームの得意分野を7領域に分けて表現しています。

マップ上に記されている矢印は、明確に線引きできない得意領域です。昨今、多くのコンサルティングファーム各社は手掛ける領域を周辺に拡大している傾向があるため、このような表現になっているようです。

カオスマップと共に業界の現状と今後も考察

コダワリ・ビジネス・コンサルティングでは、カオスマップの公表と同時に「2024年におけるコンサル業界の現状と今後の考察」も発表しています。それによると、コンサルティングファームの成長率は10%程度であり、成長率は鈍化しているようです。

実際に筆者も聞くところによると、若手がアベイラブル(案件にアサインされていない状態)の状態が続いているというファームもありますから、過度な採用の影響はありつつも、数年前のどこのファームも人が足りなくて仕方ないという状況はやや落ち着いてきている印象があります。

結果として、採用動向も売り手市場だった状況はやや変わってきています。2022年まではコンサル未経験でも適性があると判断されたり、経験が豊富だったりすれば採用されやすい傾向でした。しかし、2023年以降は転職希望者に求められる条件も相応に厳しくなってきており、転職状況は厳しい状態となっています。

その裏には大量採用したものの思うようにパフォーマンスしないコンサルタントが発生し品質問題が起こるような状態が一部発生していたことが影響しているのでしょう。

カオスマップの利用方法

ここでは、カオスマップの利用方法について解説します。カオスマップには、コンサルティングファームやコンサルティング業界の情報が濃縮されているので、転職活動に役立つ面があります。

コンサル業界の現状が理解できる

コンサルティングファームのカオスマップを見れば、大手ファームの特徴や得意分野を俯瞰して直感的に把握することができます。近年はコンサルティングファームの分類がより複雑化し、公式サイトを見てもどの分野を強みにしているのか、わかりにくくなっています。会社同士の比較も難しくなっていますが、カオスマップを見れば得意分野はもちろんのこと、同じ分野を手掛けている会社もわかるでしょう。

したがって、全く別の分野から「キャリアを活用してコンサルティング業界に転職したい」と考えている方が業界の基礎知識を学ぶための材料としても最適です。

業界への需要を見る

コンサルティング業界には、「総合」「戦略」「IT」「シンクタンク」などさまざまな分野があり、カオスマップを見れば、どの会社がどの分野にいるのか一目でわかるようになっています。

また、どの分野にファームが多いのかもわかるので、どの分野にコンサルティングファームが集中しているのかもわかるでしょう。ファームが多い分野はそれだけ支援の需要があるという可能性が高いです。

業界の今後を考える

何年分かのカオスマップを比較すれば、需要がある分野の移り変わりや、需要の増減に左右されにくい分野もわかるでしょう。各社がどういった方向へ事業領域を伸ばしているかがわかれば、実際に転職後にどのような案件機会がありそうかを想像することもできます。自分のキャリアに大きく影響するポイントなので、もっと詳しく聞きたい方は気になるファームの情報収集をして考察してみるとよいでしょう。

ファームがアピールしているような案件がやりたくて入社したものの、実際には違う分野の案件が増えていって、自分がやりたいこととは違う…となってしまうことは大変不幸です。
あなたのキャリア戦略と照らし合わせて、転職活動も戦略を立てて動くことが必要です。

まとめ:コンサルティングファームのカオスマップは転職活動にも役立つ

コンサルティングファームのカオスマップはコンサルティング会社に支援業務を依頼したい方はもちろんのこと、コンサル業界の現状を知りたい方やコンサル業界に転職したい方にも必要な情報がつまっています。「コンサルティングファームを個別に研究するまえに業界全体を俯瞰してつかみたい」と考えている方は、ぜひ活用してみましょう。

業界理解が深まったら各社のファームについての違いや特徴を理解しましょう。前途の通り業界の動きや各社の動向についてもしっかりと情報収集を行う必要があります。
そのような場合には、ネット記事やエージェントの二次情報だけでなく、自分で直接元社員の生の声を聞くことができる『GradsGuide』を利用することがおすすめです。

GradsGuideは、コンサルティングファームに特化した転職相談プラットフォームです。コンサルOB・OGに直接話を聞けるため、リアルな社風や働き方、社内環境などを詳しく知ることができます。カオスマップで業界全体の動向や現状を把握したうえでコンサルティングファームのOBやOGと面談すれば、より理解が深まり、納得できる転職活動が行えるでしょう。

コンサルティングファームへの転職に悩んだら

GradsGuideは経営コンサル業界への転職者向けの転職相談プラットフォームです。
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記事監修者:渡辺 貴明

メルセネール株式会社取締役。東京工業大学工学部卒業。
大学卒業後、独立系コンサルティングファームにて製造業のクライアントを中心に業務改革支援に従事。その後、アビームコンサルティング株式会社の戦略部門に転じ、経営戦略・事業戦略策定やM&A、新規事業開発、組織/人材開発に従事。
メルセネール株式会社では職業選択における情報の非対称性の解消を目指し、コンサル業界への転職者に向けたコンサルOB/OG紹介サービスGradsGuideを運営、事業責任者を務める。

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