コンサル業界特集
2024.09.10
コンサルティングファームが「やめとけ」と言われる理由は?実情や魅力を解説
「コンサルティングファームはやめとけ」「コンサルは激務だから大変」など、コンサルティングファームに関する情報を集めていると、一度はこのようなマイナスな意見を聞いたことがあるでしょう。コンサルティングファームへの転職を検討している方の中には、マイナスの意見に不安を覚える方もいると思います。
本記事では、コンサルティングファームが「やめとけ」と言われる理由や、コンサルティングファームの実情、勤務する魅力等を紹介します。
「コンサルはやめとけ」と言われる理由
コンサルティングファームというと、年収が高い、優秀な人材が集まるといったプラスのイメージがある一方、労働時間が長い、成果が出ない人には厳しい、などマイナスなイメージがあることも事実です。
では、なぜ「コンサルはやめとけ」と言われるのか、ここでは主な理由を紹介します。
コンサルティングファームは激務だからやめておけ
コンサルティングファームへの勤務を「やめておけ」と言われる理由として最も多く挙げられるのは「激務」です。転職サイトの口コミなどで「激務だった」「休日出勤も当たり前だった」といった意見は見られます。また、2022年には、大手コンサルティングファームのアクセンチュアが、労働基準法違反で書類送検されたこともありました。
コンサルティングファームに所属するコンサルタントの勤務時間はプロジェクトや顧客によって左右される部分があります。例えば、プロジェクトが佳境に入ったときや、想定外に顧客から追加の要望があった場合などは、長時間残業することもあるでしょう。
しかし、コンサルティングファームに勤務したら常に激務で休日も返上で働くわけではありません。実際、大手コンサルティングファームの残業時間は40~60時間程度が平均です。
最新の意見では「残業はあるが常時ではない」「定時に帰宅することもある」「育児と仕事のバランスも取れている」といった意見が多くなっています。
したがってコンサルティングファームに入社しても、仕事仕事の毎日で休日もほとんどないといった働き方ではないと考えていいでしょう。
コンサルティングファームは離職率が高いからやめておけ
「コンサルティングファームは結果を出さないと退職を促されるので離職率が高い」「コンサルタントとして結果を出さないと会社内にすぐ居場所がなくなる」といった意見も聞かれます。
コンサルティングファームの離職率は20%前後といわれており、日本企業全体の離職率、約15%に比べると高いのは事実です。しかし、仕事で結果が出せないから退職する方はほぼないといっていいでしょう。もちろん、通用せずなかなかアサインが決まらず退職していく…というケースもないわけではありませんが、離職の多くは前向きな理由によるものが多いです。
コンサルティングファームは元々向上心が強く成長志向が高い方が集まりやすい業界です。そのため、現在勤務しているところより条件が良かったり自分が成長できると感じたりしたコンサルティングファームがあれば、年齢問わず転職する方も珍しくありません。コンサルティングファーム各社は、優秀な人材の獲得に貪欲で引き抜きなども発生しています。
コンサルタントは独立開業も可能なので独立したり、また起業のために退職する方も多いのです。
一方で、現在は離職率を下げようと人材育成に力を入れ、人をじっくり育てる会社や、福利厚生などを充実させたり労働環境の改善に積極的に取り組んでいる会社も増えています。そのため、コンサルティングファームの離職率も近い将来変わってくる可能性もあります。
▶ 参考:令和4年 雇用動向調査結果の概要「入職と離職の推移」|厚生労働省
会社内の競争が激しいのでやめとけ
コンサルティングファームには、優秀な人材が集まっているので従業員同士の切磋琢磨が激しく、心が安まらないからやめておけといった意見もネット上では見受けられます。
コンサルティングファームは、年功序列ではなく、結果を出せば早く昇給や昇進が叶う実力主義のところが多いです。そのため、向上心の強い人ほど自己研鑽に取り組み、若くてもいち早く昇進したいという前向きな傾向があります。
会社によって文化が異なる面はありますが、ほとんどの会社では従業員同士が足を引っ張り合ったり牽制し合ったりといったことはありません。チームで取り組むプロジェクトが多いので一定のコミュニケーションは必須です。したがって、「仕事では協力し合うが、それ以外はさっぱりとした関係」も築きやすいでしょう。
ただし、常にストレッチすることが求められ、自分の能力を向上させ続けなければならないので、当然負荷はかかりますから、それで疲れてしまう・負担に感じるという方は向いていないかもしれません。
※ストレッチ:延長線上では達成できない高い目標を設定しその実現に挑むこと。
コンサルティングファームの実情や魅力
ここでは、コンサルティングファームの実情や魅力について解説します。
コンサルティングファームは人気の転職先なので、憶測でいろいろな情報が飛び交っている一面もあります。コンサルティングファームへの転職を検討するならば、正確な情報をチェックしておくことも大切です。
コンサルティングファームは常時優秀な人材を集めている
コンサルティングファームは、ほとんどの会社が新卒だけでなく中途採用で常時優秀な人材を集めています。前述したように離職率が高めなので、未経験でも面接で「コンサルタントに適性がある」「スキルや経験が役立つ」と判断されたら採用になるケースも珍しくありません。
大手コンサルティングファームの中には、未経験での中途採用者でもしっかりとスキルアップできるように手厚い研修制度を設けているところもありますし、コンサルタントとして勤務する中で基本的なスキルは身につけられる環境であるでしょう。
また、多くの場合は顧客企業の経営者や幹部クラスと対峙することになるため、ハードではありますが刺激的で知的好奇心も満たされる仕事です。そのような価値観の方には大変向いている環境です。
年収が高く実力に見合った見返りが得やすい
コンサルティングファームは年収が高く、結果を出せば20代後半~30代前半でも年収が1000万円を十分超えられる可能性もあります。コンサルティングファームは日系と外資系がありますが、特に、外資系は実力主義の傾向が強いでしょう。
したがって、向上心が強い方やいろいろな業界に関わってキャリアを広げたいと考えている方には、魅力的な職種です。流動性が高い業界なので、キャリアアップのためにコンサルティングファーム間を渡り歩く方も珍しくなく、実力があればいろいろな働き方も可能です。
転職の難易度は高め
コンサルティングファームへ応募する方のバックグラウンドは多様であり、その点では広く門戸が開かれている分、コンサルティングファームへの転職難易度は高めです。企業研究・業界研究をしっかりと行わないと、優秀な人材がたくさん応募してくるため採用を勝ち取るのは難しいでしょう。
コンサルティングファームの中途採用試験は、書類選考と面接が実施されるところが大半です。与えられた問いに対して制限時間内に適切な解決策などの回答を提案する、いわゆるケース面接が実施されることも多いです。そのため、学歴が高くて優秀な職歴があっても面接対策を行わないと、採用試験を突破できない恐れもあるでしょう。転職を検討しているなら、一定程度は時間をかけて面接対策を行い、転職活動を進めるのがおすすめです。
コンサルティングファームは向上心の強い方にはやりがいのある業界
コンサルティングファームは優秀で向上心の強い方が集まっているので、年収が高い分、常に成長が求められる傾向は確かにあります。しかし、だからといって「やめとけ」と言われるほどの環境でもありません。激務のときももちろんありますが、常時心身を削って働く必要がある会社はほぼないといっていいでしょう。
一般の事業会社と比べると確かにハードかもしれませんが、その分様々な経験を積むことができますし意欲があれば成長できる環境です。顧客企業の意思決定に関わり、人や企業を変えていくという経験はなかなか得難い喜びのある、やりがいのある職場といえるでしょう。
コンサルティングファームへの転職を検討しており、内情や現状をもっと詳しく知りたい方は『GradsGuide』を利用してみましょう。
GradsGuideは、コンサルティングファームに特化した転職相談プラットフォームです。コンサルOB・OGに直接話を聞けるため、リアルな社風や働き方、社内環境、勤務していて良かったこと、悪かったことなどがわかるでしょう。口コミサイトでは確認が難しい内容も、直接話すことでわかるケースも多いです。
転職エージェントや企業との会話ではわからない・聞きにくい点もGradsGuideなら率直に相談できます。
入社後に会社の中でしにくいキャリア相談もできるため、既にコンサルタントとして勤務されている方にもご利用いただけます。
関連記事