選考対策
2025.05.30
コンサルティング業界のケース面接対策:未経験者でも攻略できる方法

転職活動を進める中で、コンサルティング業界特有の選考プロセスである「ケース面接」に不安を感じていませんか?「未経験だから難しいのでは?」と心配になることもあるでしょう。しかし、ケース面接は適切な準備と練習を重ねることで、未経験者でも十分に攻略可能です。この記事では、ケース面接の具体的な対策方法や出題傾向、そして効果的な練習方法について詳しく解説します。
目次
ケース面接とは?その目的と評価ポイントを理解しよう

ケース面接とは、ビジネス上の課題や問題に対して、応募者がどのようにアプローチし、解決策を導き出すかを評価する面接形式です。面接官は、応募者の論理的思考力、問題解決能力、そしてコミュニケーション能力を重視します。具体的な解答よりも、そのプロセスやアプローチ方法が評価の対象となることを理解しておきましょう。
ケース面接で頻出する4つの代表的な出題パターンと解法例

ケース面接では、以下の4つのパターンが頻出します。それぞれの特徴と解法のポイントを押さえておきましょう。
1. 売上推定と売上拡大策
このパターンでは、特定の商品の売上を推定し、その売上を拡大するための施策を考えることが求められます。例えば、「あるカフェの月間売上を推定し、売上を20%増加させる方法を提案してください」といった問題です。
解法のポイント:
- 現状分析:客数、客単価、来店頻度などの要素に分解
- 課題特定:どこに売上改善の余地があるかを見極める
- 施策提案:新商品の導入や販促の強化などを提示
2. 利益把握と利益拡大策
企業の利益構造を分析し、利益を拡大するための施策を検討するケースです。たとえば、「製造業の利益率を向上させる戦略を提案してください」という問題が出されます。
解法のポイント:
- コスト構造の分析:固定費と変動費に分けて、改善余地を把握
- 収益源の特定:収益に大きく貢献している事業の見極め
- 改善策の提案:コスト削減や価格戦略の見直しなど
3. 賛否・二者択一形式の課題
特定の提案や戦略に対して「賛成か反対か」を問われ、その理由を述べる形式です。例:「新市場に参入すべきか?」
解法のポイント:
- メリット・デメリットの整理:リスクと効果を見極める
- 意思決定基準の設定:企業の目標やリソースを踏まえて判断
- 論拠の明確化:客観的な視点で理由を説明
4. 社会問題に対する現状分析と解決策の提案
たとえば、「高齢化社会における労働力不足への対応策を考えてください」といった問題。マクロな視点が求められます。
解法のポイント:
- 現状の把握:データや事実に基づいた分析
- 原因の特定:構造的な要因を分解して考察
- 施策の提示:制度改革、テクノロジー導入などの提案
フェルミ推定や論理的思考の具体的な使い方を学ぶ

ケース面接において重要視されるのが「フェルミ推定」と「論理的思考力」です。この2つのスキルを実践的に身につけることが、内定への鍵となります。
フェルミ推定とは?
フェルミ推定とは、「一見すると答えの出しにくい質問に対して、論理的に仮定を立てながらおおよその数値を導く技法」です。たとえば「日本全国のコンビニの数は?」など。
フェルミ推定の解法ステップ
- 問題の定義:求められている対象を明確化する
- 要素への分解:論点を複数のファクターに分ける
- 前提の設定:仮定の上で数値を設定する
- 積み上げ計算:全体を構成する数値を計算する
例題:日本にあるマンホールの数を推定せよ
- 総人口 ≒ 1億2,000万人
- 都市部人口 ≒ 70%、地方 ≒ 30%
- 都市部に多くマンホールが集中
- 一家庭あたりの道路面積に対して何個設置されているか想定
- 地方部は人口密度とマンホールの密度が低いため補正
こうしたステップで「思考の道筋」を面接官に説明することが重要です。
ケース面接で使える!出題パターン別の思考プロセス例

頻出パターンごとの出題に対し、どのように論点を整理し、回答に向けた思考を組み立てるかを具体的に見ていきましょう。
売上推定と売上拡大策:分解とボトルネック抽出がカギ
例題:都内の駅ナカカフェの月間売上を推定してください。
思考プロセス例:
- 売上の公式に分解
売上 = 客数 × 客単価 × 営業日数 - 客数を分解
通勤・通学利用者 × 立ち寄る確率(仮定) - 前提条件の設定
駅利用者数:1日5万人、カフェ立ち寄り率:3%、客単価:500円 - 計算し仮説を構築
5万 × 0.03 × 500円 × 30日 ≒ 2,250万円(推定売上) - 拡大策の検討
- モーニング利用の促進
- テイクアウト専用商品の強化
- 駅外からの流入促進(立地の工夫)
利益把握と拡大策:コスト構造の深掘りがポイント
例題:中小製造業の利益率を改善するには?
思考プロセス例:
- 利益の公式に分解
利益 = 売上 – コスト(固定費+変動費) - コスト構造を確認
原材料、人件費、流通費、間接部門コストなど - 利益率の低下要因を特定
たとえば材料費高騰や在庫回転率の低下など - 改善案の提案
- サプライヤーの見直し
- 工程の自動化やアウトソーシング
- 高付加価値商品の開発
ケース面接対策に効く!3ステップ実践トレーニング法

未経験でも効率的に準備できる、実践的なトレーニング方法をご紹介します。
ステップ1:基礎スキルを身につける(分解・構造化)
まずは「分解力」と「構造化スキル」の基礎を養いましょう。
- 「MECE(モレなくダブりなく)」の考え方を理解する
- 「なぜ?どうして?」と常に問い続ける癖をつける
- 日常の物事(例:カフェ、映画館、スーパー)の構造を分解する練習をする
ステップ2:アウトプット練習で仮説構築を磨く
1日1問、ケース問題を解いて「声に出して説明する」ことをおすすめします。
- 問題集やネットの練習問題を使う(「ボストン・コンサルティング・グループの過去問」など)
- 考えたプロセスを言語化して録音→振り返る
- 他者(できれば同じ志望者)とディスカッションする
ステップ3:模擬面接で実践的に慣れる
緊張感を伴う中で話す練習が大切です。
- キャリアアドバイザーやOB/OG訪問で模擬面接を依頼
- Zoomなどで自分の姿を録画し、話し方や表情を確認
回答が詰まった時のリカバリー方法と前提条件の置き方
ケース面接では、考えが一瞬詰まってしまうこともあります。そんな時の「リカバリー力」も重要な評価ポイントです。
回答が詰まったときはどうする?
- 素直に「少し時間をください」と伝える
沈黙よりも、考えていることを伝える姿勢が評価されます。 - 今の整理状況を言語化する
例:「いま、◯◯と◯◯の要素に分解して考えています。売上の観点から先に整理します」 - 論点を1つに絞る
あれもこれもと手を出さず、1つの仮説をまず深掘りする
前提条件の置き方のコツ
- 常識ベース+仮定で補う
例:「日本の人口は1億2,000万人と仮定します」 - 「仮に〜とすると」と明言する
前提が根拠のある仮定であれば、評価は落ちません - 整合性のある数字を使う
客数や割合などは極端な数値を避け、現実的な範囲に留める
コンサル転職成功の第一歩を踏み出そう
ここまで、コンサル業界の選考で重要な「ケース面接」について、詳しく解説してきました。未経験者でもしっかりと対策を進めれば、自信を持って臨むことができます!
本記事のまとめ:
- ケース面接は「答え」より「考え方のプロセス」が評価される
- 出題パターンを理解し、それぞれの思考プロセスに慣れることが重要
- フェルミ推定や分解思考は、日常のトレーニングで鍛えられる
- 回答に詰まった時も、落ち着いてプロセスを説明すればOK
- 実践的な練習と模擬面接で、当日のパフォーマンスは大きく向上する
自分の思考を言語化する練習を積み重ねることで、論理的思考力や仮説構築力が自然と身についていきます。そしてそれこそが、コンサル業界で求められる本質的なスキルです。
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