ニュース・トレンド
2025.03.12
デロイト トーマツが「Trade Compass」に新機能を追加!関税コストの可視化が可能に

デロイト トーマツ グループが提供する国際貿易支援ツール「Trade Compass」に、新たな機能が追加されます。今回のアップデートでは、米国の関税政策や各国の対抗措置に関する税率特定のほか、関税コスト試算のAPI公開、EUの新制度CBAM(炭素国境調整メカニズム)対応など、企業の国際貿易戦略を強化するための3つの機能が搭載されます。
「Trade Compass」とは?

「Trade Compass」は、国際貿易に関わる企業の意思決定を支援するデロイト トーマツのWebサービスです。これまでFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の活用による関税削減をサポートしてきましたが、今回の機能追加により、さらに包括的な関税管理が可能になります。
新たに追加される3つの機能

1. 追加関税・特殊関税の税率特定
近年、米国の関税政策に対抗する形で、各国が「報復関税」や「アンチダンピング関税」などを課す動きが活発化しています。今回の機能追加により、HSコード(国際的な品目分類コード)に基づき、品目ごとの追加関税や特殊関税の税率を簡単に検索・表示できるようになります。
これにより、日本企業の海外子会社が、各国間の輸出入にかかる税負担を把握し、貿易リスクを事前に分析することが可能になります。
2. 関税試算APIの外部公開
従来、Trade Compassの関税試算ツールを利用するには、Webサイトにアクセスする必要がありました。しかし、新たにAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)が公開されることで、企業のシステムと直接連携できるようになります。
これにより、企業は自社の貿易管理システムにTrade Compassの関税コスト情報を統合し、輸出入コストをリアルタイムで最適化することが可能になります。
3. CBAM(炭素国境調整メカニズム)の対応
EUでは2026年から、新たな炭素国境調整メカニズム(CBAM)が本格適用されます。これは、CO2排出量の多い製品の輸入に対して賦課金を課す制度であり、EU市場での競争力維持に大きな影響を与えます。
今回のアップデートにより、Trade Compassでは、品目ごとにCBAMの対象・非対象を確認できる機能が追加されます(賦課金の計算機能は今後実装予定)。
転職希望者にとっての注目ポイント

デロイト トーマツでのキャリアの可能性
デロイト トーマツは、貿易・関税に関するコンサルティングサービスを提供し、最新のデジタルツールを活用した業務改革を推進しています。今回のTrade Compassのアップデートは、企業のサプライチェーン戦略や貿易管理を強化するものであり、これに関わるプロジェクトも増加する可能性があります。
求められるスキルとは?
デロイト トーマツで関税・貿易関連のコンサルタントとして活躍するには、以下のスキルが求められます。
- 貿易・関税の基礎知識(FTA、EPA、関税分類など)
- データ分析能力(関税コスト試算やリスク分析)
- システム連携・API活用の知識
- 英語力(国際貿易に関わる業務が多いため)
デジタル技術と貿易の専門知識を組み合わせ、企業のグローバル戦略を支援するキャリアを築くチャンスです。
まとめ
デロイト トーマツの「Trade Compass」に追加される新機能は、国際貿易における関税リスクの可視化とコスト最適化を可能にするものです。これにより、企業はより精度の高い意思決定ができるようになり、貿易の効率化とコスト削減が実現します。
また、デロイト トーマツはこうした最新技術を活用し、クライアント企業の課題解決を支援するコンサルタントを求めています。貿易・関税に関心がある方や、デジタル技術を活用した業務改革に興味がある方は、デロイト トーマツへの転職を検討してみてはいかがでしょうか?
出典:デロイト トーマツ、米国の関税政策や各国の対抗措置による税率特定など3機能をwebサービス「Trade Compass」に追加へ|Deloitte Japan
関連記事