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アクセンチュア が書類送検!コンサルタント死亡にも繋がる長時間労働問題とは

アクセンチュア が書類送検!コンサルタント死亡にも繋がる長時間労働問題とは

アクセンチュアは世界最大級の経営コンサルティングファームであり、世界50カ国、200都市以上に事業所を展開しています。日本法人の事務所開設は1962年と古く、日本における知名度も高いです。

コンサルタントの転職先としても人気がある企業ですが、2022年12月に長時間労働の疑いで書類送検された経験もあります。

本記事では、アクセンチュアが書類送検された理由や長時間労働の問題点、現在のアクセンチュアの勤務状況について解説します。

アクセンチュアとはどのような会社?

アクセンチュアは世界50カ国、200都市以上に事業所を展開している世界最大規模の総合コンサルティングファームです。日本法人は1962年に事務所を開設し、経営・業務・ITと幅広い支援を行っています。

2024年3月時点で23,500人の従業員が所属しており、新卒・中途共に人気があるコンサルティングファームの1つです。

アクセンチュアが書類送検された理由とは?

アクセンチュアは2022年3月、労基法違反の疑いで書類送検されました。ここでは、事件の概要や長時間労働の弊害等について詳しく解説します。

事件の概要

2022年3月、東京労働局は社員に違法な長時間労働をさせていたとしてアクセンチュアを書類送検しました。アクセンチュア本社に所属するソフトウェアエンジニアの社員に、2021年1月3日~30日にかけて、法定労働時間を超える残業をさせていた疑いがあったことが理由です。

法定労働時間は週40時間と定められていますが、アクセンチュアは社員に143時間を超える残業をさせていたとのことです。

同社は、月100時間未満の残業を可能とする特別条項付き36協定を締結していましたが、不備があり無効と判断されました。

厚生労働省は、1ヵ月間に100時間以上の時間外労働、もしくは2~6ヵ月間に月平均で80時間以上の時間外労働を「過労死ライン」と定義しています。長時間時間外労働を行った結果、仕事の過労やストレスが原因で疾患を発症して亡くなった場合、過労死と認定される可能性があります。

アクセンチュアの社員が行った残業時間は100時間を大幅に上回っており、過労死の危険がありました。

長時間労働の問題点

長時間働き続けると、集中力の低下やミスの増加、作業効率の低下などが起こるだけでなく、業務中に事故が発生する危険も高まります。

また、長時間労働が当たり前な社内環境では離職者が増え、採用コストも余計にかかるようになるでしょう。それに加えて、退職した従業員の口コミによって長時間労働を行っている会社だと広まってしまうと、企業イメージの低下にもつながります。

長時間労働を改善せずに過労死が発生してしまうと、企業の信頼低下は免れません。

コンサルティングファームは長時間労働が珍しくない?

アクセンチュアに限らず、コンサルティングファームは長時間労働が珍しくない雰囲気があります。人気コンサルティングの名前でインターネット検索をすると、「激務」「長時間労働」「残業」といったキーワードが一緒にヒットします。

コンサルティングの主な目的は、クライアントの課題解決を支援することです。そのためには、顧客と深い信頼関係を築き、高い期待値を越える結果を出さなければなりません。また、クライアントへの提案や業務結果の報告のため、緻密な分析や詳細な資料作成も重要です。

プロジェクトの内容や仕事の進行状況によっては、どうしても長時間労働をしなければ仕事が終わらない場合もあります

さらに、コンサルタントとして第一線で働いている方は向上心が強く、完璧主義の傾向があります。そのため、より良い結果を出そうとして自主的に長時間労働をするケースも珍しくありません

アクセンチュアの労働環境と長時間労働対策

アクセンチュアが書類送検された際、企業の知名度もあったために多くの情報番組で取り上げられ、話題にもなりました。現在も、アクセンチュアで検索すると書類送検された記事が上位にヒットします。

しかし、アクセンチュアは決して長時間労働を放置するような環境ではありませんでした

ここでは、アクセンチュアの労働環境や労働環境改善への取り組み、残る課題について解説します。

アクセンチュアの労働環境

アクセンチュアは2010年代前半まで、長時間労働が当たり前の労働環境でした。その結果、従業員は疲弊し人材派遣業者から人材の紹介を断られることもあったそうです。長時間労働が当たり前の環境に危機感を抱いた同社は、2015年に「Project PRIDE」をキックオフします。

Project PRIDEには、「残業の適用ルールを厳格化、18時以降の会議原則禁止」「働きやすい環境作りに向けた管理職研修の義務化」など、長時間労働をなくす取り組みも含まれていました。

Project PRIDEを実施した結果、アクセンチュアでは管理職以外は残業時間が1人あたり1日平均1時間未満となり、離職率も実施前の半分になりました。

また、女性比率も向上し、女性の管理職が全体の2割となっています。

立場によって労働時間が変わる?

Project PRIDEを実施した結果、アクセンチュアの労働環境は体力勝負の会社から働きやすい職場に変わったといわれています。同社が公表している社員の声には、「数年で劇的に働く環境が改善した」「以前は体力勝負の色が強い会社であったが、今はすごく働きやすい会社だと思う」といったものが挙げられています。

転職サイトに投稿される元社員の口コミでも、「マネージャー以下は働きやすい」「残業時間が管理されているので、長時間残業することはない」「柔軟な働き方ができ、子育てと仕事の両立もしやすい」といった意見が多く掲載されているので、労働環境は改善されていると考えていいでしょう。

その一方で、マネージャー以上は長時間労働も行っている、案件によっては長時間労働がさけられないといった意見も聞かれました。

口コミやアクセンチュアの発表を併せて考えると、Project PRIDEを実施した結果、社内の労働環境の改善は行われたが、案件や立場によっては長時間労働が行われているのが現状のようです。

まとめ:アクセンチュアは労働環境の改善が進んでいる

長時間労働は、日本の会社全体が改善していく問題でもあります。アクセンチュアは、2015年より労働環境の改善に取り組んでおり、一定の成果も出ています。それでも、書類送検される事件が発生してしまいました。

この1件のみで「アクセンチュアは長時間労働が当たり前の会社」と断言はできません。

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【参考】
・アクセンチュア株式会社 アクセンチュア独自の働き方改革「Project PRIDE」
・エン・ジャパン株式会社エンライトハウス アクセンチュアの会社評判・口コミ

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記事監修者:渡辺 貴明

メルセネール株式会社取締役。東京工業大学工学部卒業。
大学卒業後、独立系コンサルティングファームにて製造業のクライアントを中心に業務改革支援に従事。その後、アビームコンサルティング株式会社の戦略部門に転じ、経営戦略・事業戦略策定やM&A、新規事業開発、組織/人材開発に従事。
メルセネール株式会社では職業選択における情報の非対称性の解消を目指し、コンサル業界への転職者に向けたコンサルOB/OG紹介サービスGradsGuideを運営、事業責任者を務める。

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